男鹿半島で生まれた 短歌・1
粟津 祐逸
あわづ ゆういつ

                〈 短歌・2


潟口

おのづから満潮ながる日あたりに鴨の飛びゆく冬の潟ぐち

はるかなる潟口を恋ひて啼きつゞく鷺をれば鷺の声に日昏るる

この鷺は手負ひの一羽にあらざれど潟口さしてさびしく翔びつ

  

はたはた

はたはたをとる漁師らか合羽きて寒きにむかふ海荒るる日に

水揚げのはたはた凍り寒波くるさすがに荒るる男鹿沖なり

  

ふぶき

遠々に灯りの見えてふぶきくる潟の沖べを鴨鳴きわたる

まとも吹くふぶきのなかの漁師らは氷下(ひした)の網に若鷺をとる

  

魚道

潟をふくさむかぜおろしもはげしくていま翔けゆくは鷺か潮満つ

  

山の稜線

うつし世のつぐなひなどはさらになしものみな芽ぶく草木濡れていて

   

                           歌集「八郎潟」より

八郎潟・防潮水門で

  

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